未来に危機を、太古にロマンを。下田尚嶽「七言絶句」の作品から(2/3)
更新日:2024年10月20日
地球環境はきびしい。動植物の生態系の狂い、温暖化など気候の兇変、核戦争の予知など、この破壊は一体どこまで進むのだろうか。
人間は欲が強い。必要以上にかかえこむ習性がある。ほかの動物にはないものだ。大金持ち、武器商人、科学者などはあくなき欲と、進歩という破壊をおこなう。個人および国家の利益が破壊循環をつくりだしている。
「人間よ。もう700万年の歴史に区切りをつけて、ここらで地球の表面から立ち去ってくれ」と40億年におよぶ地球から、人類に退避命令が出てそうな気配だ。私たちの子々孫々、わずか2、3世紀先でザ・エンドとなるのか。SFの世界でとどまればよいのだが......。
2000年の眠りから目覚めた古代のロマン「大賀蓮(オオガハス)」がある。
昭和26(1951)年3月30日の夕刻、花園中学校(千葉市)の女子生徒・西野真理子さんが古い地層の地下約6mの泥炭層から、ハスの実を1粒を発掘した。さらに翌月6日には2粒、計3粒のハスの実が発掘されたのだ。大賀一郎博士が発芽・生育に成功した。蓮として世界最古だという。
こうした古代ロマンには、新鮮な息吹を感じさせてくれる。
世界最古の大賀蓮を観る (作・下田尚嶽)
佛暁池塘満紅蓮 清風一陣郁香伝
出泥緑蓋揺揺処 玉露煌煌映日鮮
明け方の池に縄文時代の蓮の紅い花が一面に咲いている。
さわやかな風がひとしきり吹き、より香りがだたよう。
泥のなかに清らかな花を咲かせる。蓮の葉がゆらゆらとゆれうごく。
玉のような露がキラキラ光りかがやき、太陽を映し鮮やかであった。
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