【寄稿・フォト・エッセイ】佐倉の秋祭り=三ツ橋よしみ
三ツ橋よしみさん:薬剤師です。目黒学園カルチャースクール「小説の書き方」、「フォト・エッセイ」の受講生です。
佐倉の秋祭り 三ツ橋よしみ
10月12、13、14日は佐倉の秋祭りでした。
佐倉に引っ越してきてはじめてのお祭りです。さあ行ってみましょう。
江戸時代に、佐倉城大手門の近くにあった麻賀田(まかた)神社が、佐倉藩の総鎮守になりました。
佐倉の秋祭りは、佐倉藩の加護のもと発展しました。
麻賀田神社の現在の社殿は、天保14年に藩主堀田正睦公が重建したもの。江戸幕府の老中在任中の内憂外患に立ち向かうにあたり、一念発願されたそうです。
訪れた10月13日はお祭りの中日でした。3時に麻賀田神社から町内のおみこしが出発です。
出陣式に、世話役さんからひとこと注意がありました。
「みなさん、けがのないように気をつけて下さい。
飲み物は豊富にありますが、くれぐれも飲み過ぎないように。けんかはしないようにしてください。
もし、お客さんになぐられるようなことがあっても、ぜったいなぐりかえさないでください」
23の山車や御神酒所、おみこしが佐倉市の麻賀田神社から新町通り周辺を練り歩きます。
野狐台町(やっこだいまち)の御神酒所(曳きまわし屋台のこと)です。
唐波風屋根に人がのって踊ります。
おはやしは軽妙な佐倉囃子です。
御神酒所が新町通りの狭い角を曲がるところです。
御神酒所の台車に棒をさしこみ、ゆっくりゆっくり曲がっていきます。
麻賀田神社の大神輿です。
江戸時代中期、享保6年に江戸から職人をよび、8か月の月日と、約360両という大金をかけてつくられた、千葉県内最大級、台輪巾5尺の豪華なおみこしです。
祭りの初日に、麻賀田神社から渡御(とぎょ)され、新町通り中央の御旅所に、はこばれます。
大神輿は祭りの3日目に、麻賀田神社にもどされます。
肴町の山車人形「竹生島龍神」です。
明治に入り、佐倉の商人たちは祭りを盛り上げようと、山車人形を購入しました。現在は佐倉市指定文化財になっています。
この「竹生島龍神」のほかに、横町の「石橋」、仲町の「関羽雲長」、弥勒町の「八幡太郎義家」、上町の「日本武尊」、二番町の「玉ノ井龍神」が現存します。
祭りの期間中、おはやし会館、町内の詰所でみられます。
御神酒所(山車)の前方で、佐倉囃子にあわせて、女性たちが踊ります。
「えっさのこらさのえっささ」
佐倉独特の掛け声が雰囲気を盛り上げます。
夜店が並んでにぎやかです。
女の子は色のきれいなものが好き。
「カラーボールすくい」が人気を集めていました。
「金魚すくい」は男の子たちで一杯です。
たくさんすくえたかな。
通りを沢山の山車が行き交います。
祭りは夜の10時まで続きます。
見どころ満載の佐倉祭りです。今年は、大神輿の渡御(とぎょ)を見られませんでした。
来年のお祭りが、今から楽しみです。