【元気に百歳・エッセイ教室の演習】 戦争と平和 =塩地薫
作者紹介・塩地薫さん:熊本大学・薬学部出身、大手医薬品メーカーをリタイア後は、サムエル・ウルマンの「青春」の詩や、旧制高校の「寮歌」などの普及活動に努めています。
元気に百歳のエッセイ教室では52回を迎えました。表現力の強化のいったんで、毎回、1~2枚の写真から課題文の作成を演習としています。(大学のゼミナールのように)
参考文例を示した上で、受講生には200字~300字ていどの短文を発表してもらっています。
【課題】 ダンサーたちの舞台を描写してください。
演劇タイトルは自由で、想像してください。
撮影・2011年8月25日 江戸川区・船堀
戦争と平和 塩地薫
昭和20年8月、広島と長崎に原爆が落とされて、街は地獄と化した。
舞台は赤い炎に包まれて、逃げ場を失った市民がひとかたまりになり、千手観音のように、腕を広げて救いを求めるシーンが演じられている。断末魔の叫びが虚空を揺さぶっているようだ。
時を経て静寂が訪れる。ダークブルーの背景に白衣の女性が五人、、両腕を広げて手をつなぎ、ハート型をつくる。その中心にもう一人の女性が人差し指を立てた右腕を天頂に向けて祈りをささげる。
「どうぞ、戦争の無い世界をお作りください」
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【感想】先生の2枚の写真と、演出家兼ダンサーの挨拶に刺激されて、
私も舞台を想像してみました。
ダンサーたちの舞台を描写するのも、むずかしいものですね。
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※講師が示した参考文例
「私たちは戦争の無い世界を作りたいのです。そんなの夢だよ、といわれる。
それでも、戦争の無い世界を作りたい、舞台だけでも。
年寄りは国を守れといい、戦争を仕掛けてきます。
死ぬのは私たち若者です。戦争を賛美したり、正当化したりしないでください。
死ぬのは名も無い私たち一市民です」
(注)舞台「emoTION」のエンディング挨拶を部分引用しています。